「この世界の人類の文明がどのように展開するか」がここで語られています。
それはこの世という舞台で実演される歴史のシナリオであり、ソフトウェアに喩えるなら、設計仕様書
に付随するフローチャートが示されているような観方ができるでしょう。

神々の生成


 
 前段までで地上のすべての舞台設定が完了すれば、次はそこを舞台にして、歴史が展開されていく番である。この段で 揚げられる神名によって、それがどのようなものであったかが分かる仕組みになっている。

この段のテーマ

イザナギ、イザナミの二神は、国生み後に、文明の神々をお産みになった。

それは陸上では石土造建造物の製作、水上では輸送、貿易、大航海など
の長所を示しながら、やがて線引き、領土細分による世相の混迷を示し、
さらに航空機の登場、工業の隆盛から石油利用、経済活動の発達を経て
文明は火の誤用により病態からさらに亡くなるという展開を述べている。

ジャンル 神名 中間解釈 結果の解
[建設] 大事忍男 大事推し 大土木事業の推進

石土毘古、石巣比賣
石土造建造物、住居

大戸日別 戸窓で日を制御 遮光、採光設備

天の吹男 天から吹き込む 換気設備、天窓

大屋毘古 大きな館 大規模な建物

風木津別忍男 風の持ち分けの推進 通風、送風設備
[海洋] 大綿津見 大渡の海 海洋の大航海
[港] 速秋津日子、比賣 物資の速飽きの津 貿易港、流通港
[河海] *沫凪、沫波 勢いよい水の制御 運河、水路の水量調整

*頬凪、頬波 滑らかな水の制御 ダム貯水池の水量調整

*天の/国の水分 水を分配するもの 上水道、下水道、水路

*天の/国のクヒザモチ 水を汲むもの 上水道の末端設備
[風] シナツヒコ 風にしなる 木の樹齢の譬えにより
時の経過の長さを示す
[木] ククノチ 木の股を潜る
[山] 大山津見 大きな山並み 山岳
[野] 茅野比賣(野椎) 茅茂る野原 一面の野原
[山野] *天の/国の狭土 細かい区画 国土の細分、領有

*天の/国の狭霧 区画の線引き 縄張り(の主張)

*天の/国の闇戸 倉の戸 世相の暗転

*大戸惑子、大戸惑女 大きな戸と窓 大混迷の世相(時代)
[火] 鳥の石楠船(天の鳥船) 空飛ぶ堅牢な船 航空機、戦闘機

大宜都比賣 大規模な生産 大工業生産

火の夜藝速男 燃焼が速いもの 石油の利用

(火のカガビコ) 炎が輝く有様 石油などの燃焼促進

(火の迦具土) 炎で輝く土 火薬

イザナミの神は、ミホトを焼かれて病気になり、寝込んでしまわれた
[吐物] 金山毘古、毘賣 金の山 金属工業の隆盛
[糞] ハニヤス毘古、毘賣 土で安んずる 非金属工業の隆盛
[尿] ミツハノメ 満つ・葉・飲め 多種大量製品と需要

和久産巣日 湧く・結び 需要供給を結ぶ経済

*豊宇気毘賣 豊富をさばく受皿 流通機構、市場

イザナミの神は、火の神を産んだことにより、遂にお亡くなりになった。

それでも、次段「黄泉の国」に移行されてからの命がある。(やはり神だ)
[]はその神にちなむ場所、*は直前の男女二神により生まれた神
()は直前の神のまたの名





解説

それは一つの文明の風俗描写から始まる。大事業の推進とは、大土木工事の こと。石でできた家、館、神殿などが造られ、採光、送風など、建築物の主要な構成要素が挙げられている。
次に、「大綿津見」(大渡つ海)で大航海を暗示し、港を示す「速飽き津」で物資の速やかな充足を図る貿易港を暗示している。
さらに水との関連から、運河や水路の水量の調節の様子、水の分配や採水設備について語っている。
その次は、風、樹木、山野の神名で長い時の経過と雄大さを示し、のどかさを感じさせる情景描写である。
だが、その次から二通りの意味を帯びてくる。 縁語を使い、わざと両面から話を進めているのだ。
それまでの流れからいうと、土木関連用語を並べ、倉庫の扉や大きな窓からの採光について語っているようにみえる。ところが、もう一方では、区画線引による 領土や縄張り争いから、利己的な心根が招く世情の暗転や大きな混迷について語っているのである。
すると、その次には石や楠のように堅牢であるが鳥のように速やかに飛ぶ船、飛行機が登場してくる。
これは歴史の必然なのか??!!
(なぜか。識者は 考えられよ)

大宜都比賣は元は穀物生産の神であるが、ここでは工業生産に関係した表現とな る。
大規模な生産が始まり、急燃焼するもの(石油など)の登場によって、生産神イザナミの病態、さらに死へと繋がっていくのであるが、その前に、イザナミのミ ホトによらぬ嘔吐物から金属工業が、糞から非金属土類の(セラミックなどの)工業が、尿から満ち溢れた種々の物を飲み取るだけの需要、湧き出る生産物をそ れに結びつける経済体制、その下に豊かな受皿としての市場流通体制が生まれたという。
この部分はまさに、現在の我々の世界の有様を、先取りして語っているように思われてならない。
一応、イザナギ、イザナミの二神の協力で創られた神々という扱いになっているが、あまり良い展開のものではなかったことを、吐瀉物、汚物からの神生みで表 現しているわけである。

つまり、根底には利己主義、利益主義の影が濃厚に横たわっており、そうである 限り、その先には着実な歩みで(必然的に!!)黄泉の国が到来すると、古事記 は語っているのである。
(なぜか。識者は 考えられよ)

 

黄泉の国


 
 イザナギ、イザナミの男女二神により神生みが続けられていたわけだが、火の神の系統をイザナミはミホトから産んで 後は、やけどを負い病態となり、ついに神去りたもうた。イザナギは、まだすべてを遣り遂げていない時のパートナーとの離別に嘆き悲しむ。そして、亡き相方 を追って黄泉の国へ、というメソポタミア神話にも共通する神話の段がこれとなる。
黄泉の国(前半
 かれここに、イザナギの命ののりたまはく、「愛しき我が汝妹の命を、子の一木にかへつるかも」とのりたまひて、御枕辺 にはらばひ御足辺にはらばひて泣きたまふ時に、御涙に成りませる 神は、香山の畝尾の木のもとにます、名は泣澤女の神
 
 かれその神避りたまひしイザナミの神は、出雲の國と伯伎の國との堺なる比婆の山に葬めまつりき。
 ここにイザナギの命、御佩の十拳の剣を抜きて、その子カグツチの神の頸を斬りたまひき。 
【訳】: 今まで積極的に生産に携われなかった精神文明の側では、達成すべき両文化の均衡のとれた発展が、急燃焼関連物 の登場で一気に損なわれたために、非常な後悔が生まれた。
 と りわけ悲惨なのは、戦争と環境破壊の間で泣く被災者であった

 魂の脱け殻となった物質と利益主導型文明は、現実世界と黄泉の世界の境界地(死線)に置かれた。

 このような破滅の原因は、剣のごとき英知に照らすと、燃焼関連の事物が登場したことによると理解できた。
 この時生まれた教訓は、かの破滅の顛末を次の事物の登場によって語り、歴史を引き継ぐ者達に、このような兆候が現れたなら、再び組するなかれと告げるも のであった。
(古事記の語る教訓部分である)

しかし、教訓が生かされることはない。
(なぜか。識者は 考えられよ)

黄泉に導いた兵器類
神名 中間解釈 結果の解
カグツチ 輝く土 石油、爆薬
[カグツチ神の血から
生まれた神々]


石拆(イハサク) 岩が裂ける 爆裂、炸裂
根拆(ネサク) 根元から裂ける 爆裂の激しい様
石筒の男 堅牢な筒の力 大砲
ミカハヤビ 閃光と素早い火 爆裂と焼夷の様、兵器
ヒハヤビ 素早い火の回り 急燃焼兵器
タケミカヅチノヲ 強力な閃光を発する土の力 強力爆弾、核兵器
(タケフツ) 猛威あるプラズマ 核兵器の効果
(トヨフツ) 多大なプラズマ 核兵器の効果
クラオカミ 暗・竜神 暗く淀んだ天空
クラミツハ 暗・水神 黒く淀んだ水系

殺されたカグツチノ神の体から八種の山の神が生まれたが、何を表すかは不詳
しかし、前出の山野の神が良くないきっかけを作ったことと同じ線上にあるだろう
[刀の神霊]

天の/イツノヲハバリ 尾羽張り、とおせんぼ 凍結、(経済)封鎖

利益主導と競争原理により偉大な繁栄を築いた世界も、その度が過ぎて侵略、争奪競争の激化となって現われ、多くの破 壊兵器の使用までが行われる。
イザナミは擾乱の摂理を物語るものであるから、この段からは計画や抑制が介在する過程を欠いた文明。それは利己主義、利益主義によって主導された盲目的な 成り行きである。
一方、イザナギは平衡の摂理であるから、イザナミと正反対の悟性、良識を主導原理とした文明の在り方のこと。
だが、現実の歴史の成り行きに対し積極的な関与が遅れていた。
いよいよ文明がイザナミ主導で末期状態となったとき、良識の光を当てて、何が衰亡に導いたかがはっきりするのであるが、時すでに遅しとなるわけである。

その様は、どう見ても、ぐずぐずしているとしか言いようがないものになる。
(なぜか。識者は 考えられよ)

黄泉の国(中半)
 ここにその妹イザナミの命を相見まくおもほして、黄泉國に追ひいでましき。ここに殿の縢戸より出で向かへたまふ時に、 イザナギの命語らひてのりたまひしく、「愛しき我が汝妹の命、吾と汝と作れる國、未だ作りをへずあれば、還りまさね」とのりたまひき。
 ここにイザナミの命のこたへたまはく、「悔しかも、速くきまさず。吾は黄泉戸喫しつ。然れども愛しき我が汝兄の命、入りきませること恐し。かれ還りなむ を、しまらく黄泉神と論はむ。我をな視たまひそ」とかく申して、その殿内に還り入りませるほど、いと久しくて待ちかねたまひき。
 かれ左の御髻に刺させる湯津爪櫛の男柱一箇取りかきて、一つ火ともして入り見たまふときに、蛆たかれころろぎて、頭には大雷居り、胸には火の雷居り、腹 には黒雷居り、陰には拆雷居り、左の手には若雷居り、右の手には土雷居り、左の足には鳴雷居り、右の足には伏雷居り、あはせて八くさの雷神成り居りき。
【訳】: イザナミ文明は、もはや冥界に移行していた。
 その状態から救出すべくイザナギ文明の側から、もう一度やり直せないものかという提案が出された。イザナミ文明は、もう手遅れで後戻りできそうもない が、なんとか努力してみるから、余計な詮索をせずに待っていてくれと言う。

 しかし、いくら待っても努力している気配がないので、知恵の火に照らして中を覗いてみることにした。
 すると、文明世界は、いたるところで環境破壊や戦火の度合いを凄まじくしており、ありとあらゆる怒号が充満して、どろどろになるまで腐敗が進んでいた。
 文明の様子は、さながら雷の巣窟であったのだ。

解説
地球温暖化が急加速しているという。
それも火の神系の示す燃焼原理の適用の結果というわけである。
それがもたらす天候の異変は、水不足や食料危機を招くとされている。
多くの近未来予言が脚光を浴びだした。
それによると、生命存続に関わるこうした事情から、資源の争奪を目的とした大規模戦争が行われるというのだ。(第三次大戦)
そのとき用いられるのは、攻撃にせよ防衛にせよ、貯めに貯めた核兵器であることは間違いない。
こうしていっそう自然界は破壊され、地球は生命系惑星としての死線をさまようようになる。
まさに現時点は黄泉の国であり、イザナミが帰り支度するので待っていてくれと申し入れている時点なのであった。(まだ後戻りできると思っているわけであ る)

しかし、この神話によれば、いっこうにその気配がないどころか、よけいに腐敗が進んでいる有様だったことから、イザナギは怖くなって逃げ出すというわけで ある。
この神話のとおりに進むなら(歴史の必然だが)、さらに黄泉の国の後半がシナリオとして残されているので参考になろう。


黄泉の国(後半)
 ここにイザナギの命、見畏みて逃げ還りたまふ時に、その妹イザナミの命、「吾に辱見せつ」と言ひて、すなはち黄泉醜女 を遣して追はしめき。
 ここにイザナギの命、黒御蔓を投げ棄てたまひしかば、すなはちエ ビカヅラなりき。
 こをひりひ食む間に逃げ行でますを、なほ追ひしかば、またその右の御髻に刺させる湯津爪櫛を引きかきて投げ棄てたまへば、すなはちタカムナな りき。こを抜き食む間に逃げ行でましき。
 
 また後にはかの八くさの雷神に、五百の黄泉軍を副へて追はしめき。
 ここに御佩の十拳の剣を抜きて、後手に振きつつ逃げきませるを、なほ追ひて黄泉比良坂の坂本に到る時に、その坂本なる桃の子三つをとりて待ち撃ちたまひ しかば、ことごとに逃げ返りき。

 ここにイザナギの命、桃の子にのりたまはく、「汝、吾を助けしがごと、葦原の中つ國にあらゆる現 しき青人草の、苦き瀬に落ちて、患 惚まむ時に助けてよ」とのりたまひて、オホカムヅミの命といふ名をたまひき。
 
 最後にその妹イザナミの命、身みづから追ひきましき。

 ここに千引の石をその黄泉比良坂に引き塞へて、その石を中に置きて、おのもおのも対き立たして、事戸を渡す時に、イザナミの命ののりたまはく、「愛しき 我が汝兄の命、かくしたまはば、汝の國の人草、一日に千頭絞り殺さむ」とのりたまひき。
 ここにイザナギの命、のりたまはく、「愛しき我が汝妹の命、汝然したまはば、吾は一日に千五百の産屋をたてむ」とのりたまひき。
 ここをもちて一日にかならず千人死に、一日にかならず千五百人なも生まるる。
 かれそのイザナミの命になづけて黄泉津大神といふ。またその追ひ及きしをもちて、道敷の大神ともいへり。またその黄泉の坂に塞れる石は、道反の大神とも いひ、塞へます黄泉戸の大神ともいふ。
 かれそのいはゆる黄泉比良坂は、今、出雲の國の伊賦夜坂といふ。
【訳】: イザナギはイザナミの方法では建直しは無理と、自分だけでも汚土からの脱出をはかろうとする。
 正体を見破られたイザナミ勢力は、すべてを道連れにすべく、最終戦争を起こす。
 どちらの理念も構成分子たる人類が担う。イザナギ勢力は、黄泉軍の殺戮の手から逃れるべく、核シェルター(軍事施設の 象徴)やビル(都市の象徴)を おとりにして、時間かせぎをする。
 
 それでも幾多の兵器を持って強力な殺戮軍が繰り出してくる。
 そうした殺戮の最中に、時代の境界点(ヒラサカ)である終結の時点を迎えるのだが、その境界の時点(サカモト)に居た桃形の飛行体(UFO、仏教にいう 聖衆来迎)が、空に満ちる(モモノミミツ)ほどに飛来して、殺戮軍を撃退した。
 こうして、次の時代を担う人間が、辛うじて橋渡されたのである。

 ここで、地球の将来に渡って、桃の実に一つの委託がなされた。
地上にあって 理念の顕しに貢献する人類が、今後 このような苦境を迎えて難儀するようなときには助けてやってくれ」と仰って、この桃の実には「大神の身(実)」という名を賜わられたのだった。

 時代の最後まで、物質文明は地上を蹂躙し、すべての者を地獄の道連れにしようと、日々、人口削減を高らかに宣言するようになり、やがて滅亡していくので あ る。
現在(2014年)はおよそこの時点だ。それは歴 史の必然としてそうなる。
(なぜか。識者は 考えられよ)

しかし、イザナギが至った世界では、精神文明が興隆して、人口は増加の一途を辿ることになる。その世界とは、この地上であろうはずがない。なぜなら地上 (地の王国)は黄泉津大神の支配するところだからだ。その滅んだ先にもない。

 古代科学観では、存在の状態が隔たる二つの世界の間に、感覚では掴めぬ境界石が置かれ、交通を拒み、互いの秩序を保たせていると考えてい た。
 たとえば現世と黄泉を往来することは禁忌のことであり、神が許された方法を以てしてもなお難しいものである。
 時間軸上のその開始点に、隔壁の巨大な大岩が仮想されて、その節理は「歴史を元に戻す大神(道返し)」とか、「黄泉世界の扉を閉ざす大神」と呼ばれる。
 また、過去のイザナ ミ文明のことは、「世の面を尽きさせた(ヨモツ)大神」とか、「歴史を最後まで蹂躙した(道敷き)大神」と呼ばれることになった。
 また、この時代の選定(比良)の峠の坂道のことを、今に「出生(新生)の前夜坂」という。

  最終局面を飾る代表的な事物

  エビカヅラ    壊・火・鬘(カツラ)      火避けドーム、核シェルター 
  タカムナ     高・棟(タケノコ状)     高層ビル
  ヨモツヒラサカ  世の面尽きる時間上の究極地点 時間的な終焉を象徴する地
  オホカムヅミ   大神の実(桃状のもの)    聖衆、UFO
  道敷き、道返し  道=歴史、時間 敷き=仕切る 歴史を仕切る(締め切る)      
           返し=元に戻す        ふりだしに戻す
  塞へます黄泉戸  黄泉の扉を閉ざす       旧時代の歴史を閉ざす

解説
結局、黄泉の国に至ってしまえば、滅亡することが必至となることが謳ってあ
るわけです。
その中では、様々な回復の努力が採られているように見えても、どこかでその
数倍するような破壊が行なわれる。そのように神話が誘導するからです。
では、どうすればいいのか。

簡単なことです。神話を改稿すればいいだけです。あるいは、力ある者が新し
く神話を編めばよろしい。そして、旧神話を凌駕することです。

改稿は最も簡単で、根本を変えますから、効果的なのですが、それをする権限
の者がやろうとしない限り不可能です。
新神話なら、誰でもできます。日夜、アニメが制作されていて、神話性を醸す
ものが多くみられますが、そのようなものでもいいのです。


(なぜか。識者は考えられよ) の解答

神話が日本を規定し、世界をも規定しています。
その封印もまた解かれねばなりません。
その方法は、非常に簡単です。神話を改稿すればよろしいのです。
神話は神が書いたものではなく、人が書いたものであるからです。

私個人で編んでいる「新神話」は、現実誘導に準じるほどのシンクロに満ちた
展開を見せています。

しかしながら、その実験系宇宙は、私固有の時空と規定していますので、私と
私の縁者にのみ理解できる範囲のシンクロニシティとして表出するのみで、全
世界に及ぶものではないことと、
たとえそれが全世界を動かすものであったとしても、黄泉の国に至った文明を
緩解させて元に戻すようなことには致しません。(衆生にとってはそれが望み
かも知れませんが)

というのも、邪悪の種が諸人の魂に入り込んでいるからで、ちょうど厄介なウ
イルスに感染していると解釈すればいいでしょう。偶像崇拝の面白さを知った
者たちが新世界新時代に入ると、またぞろ世界を危うくする元凶になります。

新世界新時代に入るべき人というのは、古事記の後段にあるように、「身禊」
を通してきた純白な心魂の者でなくてはなりません。

それ以外はみな黄泉の国の滅亡とともに一旦、シャットダウンされ、ちょうど
ウイルス感染したPCが、オフライン環境においてハード部分の隅々に至るまで
ウイルス駆除がなされ、問題なくなったPCのみが再起用されて復活するという
ことが大事になります。その予定を新神話のラストに据えました。(新神話第
十二章〜十五章において)

むろん、クリーンな魂ばかりの中で新時代がスタートしても、またやがて邪悪
というものは狙ってくるかもしれません。そこで邪悪の種のことごとくを今目下
情報蒐集中で、これを持ち帰り、脆弱性を完璧に補完した盤石な新世界を目指す
ことになります。

そして、呪術性のカナメであった神話や預言は、新世界では力を持ちません。
衆生はどんなシナリオにも縛られない存在になります。
神は衆生を教え導くための教師になります。そしてすべての有情とともに対等
の関係になることでしょう。黄金時代の元の姿が復活します。