利益主導と競争原理により偉大な繁栄を築いた世界も、その度が過ぎて侵略、争奪競争の激化となって現われ、多くの破
壊兵器の使用までが行われる。
イザナミは擾乱の摂理を物語るものであるから、この段からは計画や抑制が介在する過程を欠いた文明。それは利己主義、利益主義によって主導された盲目的な
成り行きである。
一方、イザナギは平衡の摂理であるから、イザナミと正反対の悟性、良識を主導原理とした文明の在り方のこと。
だが、現実の歴史の成り行きに対し積極的な関与が遅れていた。
いよいよ文明がイザナミ主導で末期状態となったとき、良識の光を当てて、何が衰亡に導いたかがはっきりするのであるが、時すでに遅しとなるわけである。
その様は、どう見ても、ぐずぐずしているとしか言いようがないものになる。
(※なぜか。識者は
考えられよ)
黄泉の国(中半)
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ここにその妹イザナミの命を相見まくおもほして、黄泉國に追ひいでましき。ここに殿の縢戸より出で向かへたまふ時に、
イザナギの命語らひてのりたまひしく、「愛しき我が汝妹の命、吾と汝と作れる國、未だ作りをへずあれば、還りまさね」とのりたまひき。
ここにイザナミの命のこたへたまはく、「悔しかも、速くきまさず。吾は黄泉戸喫しつ。然れども愛しき我が汝兄の命、入りきませること恐し。かれ還りなむ
を、しまらく黄泉神と論はむ。我をな視たまひそ」とかく申して、その殿内に還り入りませるほど、いと久しくて待ちかねたまひき。
かれ左の御髻に刺させる湯津爪櫛の男柱一箇取りかきて、一つ火ともして入り見たまふときに、蛆たかれころろぎて、頭には大雷居り、胸には火の雷居り、腹
には黒雷居り、陰には拆雷居り、左の手には若雷居り、右の手には土雷居り、左の足には鳴雷居り、右の足には伏雷居り、あはせて八くさの雷神成り居りき。 |
【訳】: イザナミ文明は、もはや冥界に移行していた。
その状態から救出すべくイザナギ文明の側から、もう一度やり直せないものかという提案が出された。イザナミ文明は、もう手遅れで後戻りできそうもない
が、なんとか努力してみるから、余計な詮索をせずに待っていてくれと言う。
しかし、いくら待っても努力している気配がないので、知恵の火に照らして中を覗いてみることにした。
すると、文明世界は、いたるところで環境破壊や戦火の度合いを凄まじくしており、ありとあらゆる怒号が充満して、どろどろになるまで腐敗が進んでいた。
文明の様子は、さながら雷の巣窟であったのだ。 |
解説
地球温暖化が急加速しているという。
それも火の神系の示す燃焼原理の適用の結果というわけである。
それがもたらす天候の異変は、水不足や食料危機を招くとされている。
多くの近未来予言が脚光を浴びだした。
それによると、生命存続に関わるこうした事情から、資源の争奪を目的とした大規模戦争が行われるというのだ。(第三次大戦)
そのとき用いられるのは、攻撃にせよ防衛にせよ、貯めに貯めた核兵器であることは間違いない。
こうしていっそう自然界は破壊され、地球は生命系惑星としての死線をさまようようになる。
まさに現時点は黄泉の国であり、イザナミが帰り支度するので待っていてくれと申し入れている時点なのであった。(まだ後戻りできると思っているわけであ
る)
しかし、この神話によれば、いっこうにその気配がないどころか、よけいに腐敗が進んでいる有様だったことから、イザナギは怖くなって逃げ出すというわけで
ある。
この神話のとおりに進むなら(歴史の必然だが)、さらに黄泉の国の後半がシナリオとして残されているので参考になろう。
黄泉の国(後半)
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ここにイザナギの命、見畏みて逃げ還りたまふ時に、その妹イザナミの命、「吾に辱見せつ」と言ひて、すなはち黄泉醜女
を遣して追はしめき。
ここにイザナギの命、黒御蔓を投げ棄てたまひしかば、すなはちエ
ビカヅラなりき。
こをひりひ食む間に逃げ行でますを、なほ追ひしかば、またその右の御髻に刺させる湯津爪櫛を引きかきて投げ棄てたまへば、すなはちタカムナな
りき。こを抜き食む間に逃げ行でましき。
また後にはかの八くさの雷神に、五百の黄泉軍を副へて追はしめき。
ここに御佩の十拳の剣を抜きて、後手に振きつつ逃げきませるを、なほ追ひて黄泉比良坂の坂本に到る時に、その坂本なる桃の子三つをとりて待ち撃ちたまひ
しかば、ことごとに逃げ返りき。
ここにイザナギの命、桃の子にのりたまはく、「汝、吾を助けしがごと、葦原の中つ國にあらゆる現
しき青人草の、苦き瀬に落ちて、患
惚まむ時に助けてよ」とのりたまひて、オホカムヅミの命といふ名をたまひき。
最後にその妹イザナミの命、身みづから追ひきましき。
ここに千引の石をその黄泉比良坂に引き塞へて、その石を中に置きて、おのもおのも対き立たして、事戸を渡す時に、イザナミの命ののりたまはく、「愛しき
我が汝兄の命、かくしたまはば、汝の國の人草、一日に千頭絞り殺さむ」とのりたまひき。
ここにイザナギの命、のりたまはく、「愛しき我が汝妹の命、汝然したまはば、吾は一日に千五百の産屋をたてむ」とのりたまひき。
ここをもちて一日にかならず千人死に、一日にかならず千五百人なも生まるる。
かれそのイザナミの命になづけて黄泉津大神といふ。またその追ひ及きしをもちて、道敷の大神ともいへり。またその黄泉の坂に塞れる石は、道反の大神とも
いひ、塞へます黄泉戸の大神ともいふ。
かれそのいはゆる黄泉比良坂は、今、出雲の國の伊賦夜坂といふ。 |
【訳】: イザナギはイザナミの方法では建直しは無理と、自分だけでも汚土からの脱出をはかろうとする。
正体を見破られたイザナミ勢力は、すべてを道連れにすべく、最終戦争を起こす。
どちらの理念も構成分子たる人類が担う。イザナギ勢力は、黄泉軍の殺戮の手から逃れるべく、核シェルター(軍事施設の
象徴)やビル(都市の象徴)を
おとりにして、時間かせぎをする。
それでも幾多の兵器を持って強力な殺戮軍が繰り出してくる。
そうした殺戮の最中に、時代の境界点(ヒラサカ)である終結の時点を迎えるのだが、その境界の時点(サカモト)に居た桃形の飛行体(UFO、仏教にいう
聖衆来迎)が、空に満ちる(モモノミミツ)ほどに飛来して、殺戮軍を撃退した。
こうして、次の時代を担う人間が、辛うじて橋渡されたのである。
ここで、地球の将来に渡って、桃の実に一つの委託がなされた。
「地上にあって
理念の顕しに貢献する人類が、今後
このような苦境を迎えて難儀するようなときには助けてやってくれ」と仰って、この桃の実には「大神の身(実)」という名を賜わられたのだった。
時代の最後まで、物質文明は地上を蹂躙し、すべての者を地獄の道連れにしようと、日々、人口削減を高らかに宣言するようになり、やがて滅亡していくので
あ
る。
現在(2014年)はおよそこの時点だ。それは歴
史の必然としてそうなる。
(※なぜか。識者は
考えられよ)
しかし、イザナギが至った世界では、精神文明が興隆して、人口は増加の一途を辿ることになる。その世界とは、この地上であろうはずがない。なぜなら地上
(地の王国)は黄泉津大神の支配するところだからだ。その滅んだ先にもない。
古代科学観では、存在の状態が隔たる二つの世界の間に、感覚では掴めぬ境界石が置かれ、交通を拒み、互いの秩序を保たせていると考えてい
た。
たとえば現世と黄泉を往来することは禁忌のことであり、神が許された方法を以てしてもなお難しいものである。
時間軸上のその開始点に、隔壁の巨大な大岩が仮想されて、その節理は「歴史を元に戻す大神(道返し)」とか、「黄泉世界の扉を閉ざす大神」と呼ばれる。
また、過去のイザナ
ミ文明のことは、「世の面を尽きさせた(ヨモツ)大神」とか、「歴史を最後まで蹂躙した(道敷き)大神」と呼ばれることになった。
また、この時代の選定(比良)の峠の坂道のことを、今に「出生(新生)の前夜坂」という。 |
最終局面を飾る代表的な事物 エビカヅラ 壊・火・鬘(カツラ) 火避けドーム、核シェルター タカムナ 高・棟(タケノコ状) 高層ビル ヨモツヒラサカ 世の面尽きる時間上の究極地点 時間的な終焉を象徴する地 オホカムヅミ 大神の実(桃状のもの) 聖衆、UFO 道敷き、道返し 道=歴史、時間 敷き=仕切る 歴史を仕切る(締め切る) 返し=元に戻す ふりだしに戻す 塞へます黄泉戸 黄泉の扉を閉ざす 旧時代の歴史を閉ざす
解説
結局、黄泉の国に至ってしまえば、滅亡することが必至となることが謳ってあ るわけです。 その中では、様々な回復の努力が採られているように見えても、どこかでその 数倍するような破壊が行なわれる。そのように神話が誘導するからです。 では、どうすればいいのか。
簡単なことです。神話を改稿すればいいだけです。あるいは、力ある者が新し く神話を編めばよろしい。そして、旧神話を凌駕することです。
改稿は最も簡単で、根本を変えますから、効果的なのですが、それをする権限 の者がやろうとしない限り不可能です。 新神話なら、誰でもできます。日夜、アニメが制作されていて、神話性を醸す ものが多くみられますが、そのようなものでもいいのです。
(※なぜか。識者は考えられよ) の解答
神話が日本を規定し、世界をも規定しています。 その封印もまた解かれねばなりません。 その方法は、非常に簡単です。神話を改稿すればよろしいのです。 神話は神が書いたものではなく、人が書いたものであるからです。
私個人で編んでいる「新神話」は、現実誘導に準じるほどのシンクロに満ちた 展開を見せています。
しかしながら、その実験系宇宙は、私固有の時空と規定していますので、私と 私の縁者にのみ理解できる範囲のシンクロニシティとして表出するのみで、全 世界に及ぶものではないことと、 たとえそれが全世界を動かすものであったとしても、黄泉の国に至った文明を 緩解させて元に戻すようなことには致しません。(衆生にとってはそれが望み かも知れませんが)
というのも、邪悪の種が諸人の魂に入り込んでいるからで、ちょうど厄介なウ イルスに感染していると解釈すればいいでしょう。偶像崇拝の面白さを知った 者たちが新世界新時代に入ると、またぞろ世界を危うくする元凶になります。
新世界新時代に入るべき人というのは、古事記の後段にあるように、「身禊」 を通してきた純白な心魂の者でなくてはなりません。
それ以外はみな黄泉の国の滅亡とともに一旦、シャットダウンされ、ちょうど ウイルス感染したPCが、オフライン環境においてハード部分の隅々に至るまで ウイルス駆除がなされ、問題なくなったPCのみが再起用されて復活するという ことが大事になります。その予定を新神話のラストに据えました。(新神話第 十二章〜十五章において)
むろん、クリーンな魂ばかりの中で新時代がスタートしても、またやがて邪悪 というものは狙ってくるかもしれません。そこで邪悪の種のことごとくを今目下 情報蒐集中で、これを持ち帰り、脆弱性を完璧に補完した盤石な新世界を目指す ことになります。
そして、呪術性のカナメであった神話や預言は、新世界では力を持ちません。 衆生はどんなシナリオにも縛られない存在になります。 神は衆生を教え導くための教師になります。そしてすべての有情とともに対等 の関係になることでしょう。黄金時代の元の姿が復活します。
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